ちょっといい親子と千円札 [寝言・・・]
バスを待っていました。
私の前は、親子3人。お母さんと2歳ほどの子ども、そして赤ちゃんです。
お母さんはベビーカーをたたんで、手に持っていましたから、
乗るときに手伝ってあげたほうがいいかな・・と、バスを待ちながら迷っていました。
バスが来て、ドアが開くと、
2歳の子どもは、お母さんの手ほどきで、自分で乗れました。
そのためお母さんは手が空いて、ベビーカーを自分で持って乗ります。
でも、私は、手伝ってあげた方がよかったかな・・と少し後悔していました。
2歳ほどの子どもは、車中でもお行儀よく座っていて、騒いだりしません。
赤ちゃんは寝ているのか、お母さんに抱かれて静かです。
ほのぼのとしたいい風景だな・・と思いつつ、
ジロジロ見てるとヘンに思われると、車窓を眺めて。
やがて、その親子が降りることになりました。
まず、お母さんが最初に。ベビーカーを持って降りました。
それから、自分で降りてごらんなさい・・と子供を招きます。
でも、ちょっと子どもがゆっくり降りたのか、少々時間がかかりました。
ほんとに少し。大人が降りるより数秒遅い程度です。
それなのに、お母さんは降り口にあるバスのマイクに向かって、
「ありがとうございました」とはっきりした声で言って、歩き始めました。
運転手さんも「ありがとうございました」とハッキリと返します。
あぁ・・いい光景だな。こんなマナーのよいお母さんもいたんだ・・
と、嬉しくなる一方、
やっぱり、乗るときにベビーカーを持ってあげれば・・
と、勇気を出せなかった自分にため息をついて、車窓を眺めました。
その日の夕方。
駅の地下街を歩いていると、
目の前で、少々年配のおじさんが、立ち止まってカバンをごそごそとしていると、
折られた紙切れが落ちました。
見ると、千円札のようです。
瞬間的に、なぜだか、躊躇なくおじさんに声を掛け「落ちましたよ」と言っていました。
普段だと、言おうかな、どうしようかな・・と迷うのに。
あぁ、さっきバスに乗ったとき、躊躇した自分を悔やんで、
今度はすんなり言えたのかな・・
と、親子のことを思い出しました。
ブログにするほどでもない、些細な話ですが。
私の中には、ちょっと残る「小さな親切」です。
こんな「小さな親切」や「ありがとう」の言葉が、もっと世の中に循環すると、
みんなが過ごしやすくなるんだろうな・・
と、青いことを考えた夕方でした。
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